各外国語紹介ベンツ26産業サッカー ドイツはEUのなかで最大の経済大国で、経済的にもっと も豊かな国です。欧州中央銀行がフランクフルトにあるのは理由のないことではありません。ドイツで最も重要な産業はなんといっても自動車産業です。人口の七人に一人が自動車産業 にかかわっているというデータもあります。メルセデス・ベンツ、BMW、フォルクスワーゲン、アウディ、ポルシェなどがドイツの車だということはご存知ですか?日本でもドイツ車は大人気です。輸入車の販売上位三つ(フォルクスワーゲン、メルセデス・ベンツ、BMW)はドイツ車です(当のドイツでは、日本車もそこそこ人気があるのですよ!)。ドイツ南西に位置する街シュトゥットガルトへ行くと、メルセデス・ベンツの博物館があります。なかなか充実した展示内容ですから、ドイツへ行ったときには立ち寄ってみてください。 車以外の産業ではカメラのライカ、レンズの会社カール・ツァイス、スポーツ用品のアディダスやプーマ、電気シェーバーのブラウン、製薬会社のバイエルなども日本でよく知られている企業です。戸塚から近い鎌倉の路上を走っている江ノ電は、もともとはドイツのジーメンス社の鉄道技術で電車を走らせていました。案外わたしたちの身近なところで、ドイツの製品が使われているのです。 ドイツ人の大好きなスポーツはサッカーです。日本のJリーグにあたるドイツのブンデス・リーガは、 平均観客動員数で世界トップの数字を誇っています。大変盛り上がっているわけです。バイエルン・ミュンヘンやボルシア・ドルトムントのようにチャンピオンズ・リーグの常連となっている強豪チームもあります。ここ数年は、複数の日本の選手がドイツのブンデス・リーガでプレーしています。頼もしいですね。 ドイツのナショナル・チームの強さは、西ドイツ時代を含めて、ワールドカップで過去三回の優勝(1954年、1974年、1990年)、四回の準優勝を成し遂げていることからもわかります。ブラジルのような華麗なプレーはあまりありませんが、フィジカルの強さと粘り、ここぞという場面の勝負強さがドイツ・サッカーの持ち味です。2000年代に入ってからは移民の若い選手が増えて、スピードのある攻撃的なサッカーが 特長として加わりました。ワールドカップでは2002年日韓大会で準優勝、2006年ドイツ大会と2010年南 アフリカ大会で 3 位、そして2014年のブラジル大会では、フランス、ブラジル、アルゼンチンなどの強豪国を破り、 4 度目の優勝を果たしました。 余談になりますが、1954年のドイツのワールドカップ優勝をテーマにした『ベルンの奇蹟』(2003年)という映画があります。ドイツ人のサッカー好きがよく伝わってくる映画です。また、大ヒットしたドイツ映画『グッバイ・レーニン!』(2002年)では、1990年のワールドカップ優勝が、再統合したばかりの西と東のドイツ市民の融合に一役買ったことをあらわしているシーンがあります。これらの映画はDVDで観ることができますので、興味があったらぜひトライしてみてください。語学を学ぶうえで、その国の映画を観るのはとてもよい方法ですよ。
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