Curriculum 2026 明治学院共通科目ガイドブック
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CURRICULUM2026明治学院共通科目ガイドブック各外国語紹介北京随一の繁華街に建つカトリック教会33<多くの民族と多様な文化>刻となっています。近年、急速な経済成長により国民全体の生活水準が上がっていますが、市場経済化が進むにつれて、貧富の差も拡大しています。沿岸部の東部地方と内陸部の西部地方(重慶、成都、西安等一部の大都市を除く)の格差が激しく、中国の大きな課題となっています(図 6 )。格差拡大も日本と共通する課題ですね。 中国では56もの民族が暮らしており、人口割合としては、漢民族が90%を超えています。しかし、同じ漢民族でも、地域のそれぞれで互いに通じない方言を使っていたため、政府は建国間もない1955年に北京語の発音を基準とした言葉を共通語として採用しました。皆さんが学ぶ中国語は、この“普通话”(プートンホア)と呼ばれる共通語です。 言語だけではなく、各民族の宗教や風俗も大きく異なっています。チベット自治区や新疆ウィグル自治区などでは、少数民族の大多数がチベット仏教やイスラム教の敬虔な信者です。かつては特定の信仰を持たない人が多かった漢民族の間でも、近年カトリックや仏教の信者が急速に増えています。 少数民族はチベット族やウィグル族だけではありません。例えば、皆さんは「苗(ミャオ)族」を知っていますか?図 7 の写真にあるように、美しく豪華な刺繍を施した民族衣装や銀の髪飾りで有名です。中国の南部にある貴州省という地域を中心に900万人近くが暮らしています。焼畑や稲作などの農業が中心産業で、食文化も米が主食のところは日本と共通しています。やや辛い料理もあるところが違いでしょうか。写真のように、伝統的な住居は壁も屋根もすべて木造で日本の古い住宅と似ているところがあります。ベトナムにもそれほど遠くない地域ですから温かく、バナナやサボテンが生えています。このミャオ族は文字を持たない独自の言語を持っていて、さらに複数の方言に分かれていましたから、かつては交流することが難しい側面がありました。今では皆さんがこれから学ぶ“普通话”も通じますので、中国語圏の多様な姿に直接触れることができますよ。 是非、本学で開講される中国語の授業で学び、中国社会や文化に関する講座なども活用して中国への理解を深めてください。困難な時代だからこそ、お隣である中国との互恵関係を発展させていくことが必要でしょう。互いに理解し合い、協力しあう関係を、語学の学習を通じて見出していければと思います。では、授業でお会いしましょう!

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