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10李善姫(イ・ソニ)月例研究報告使用頻度から考察する動詞の語彙的な意味─韓国語の移動動詞を中心に─ 動詞はその語彙的な意味から様々な名詞句と結びつくことができる。しかし、ある名詞句とある動詞との結びつきが必須なのか、まれなのか、あるいは結びつきが不可能なのかは、使用頻度を調べないと、簡単にわかるものではない。たとえば、 (1)서울에서 부산으로 갔다.   ソウルから プサンへ 行った。 (2)서울에서  부산으로 떠났다.   ソウルから プサンへ 発った。 「가다(行く)」「떠나다(発つ/去る/離れる)」は、(1)(2)のように「서울에서」という出発点をあらわす場所名詞句、「부산으로」という到着点をあらわす場所名詞句と結びつくことができ、「가다」「떠나다」は、出発の位置変化や到着の位置変化をあらわす動詞であることがわかる。 ところが、実際の言語使用においては、それぞれの動詞は出発点や到着点をあらわす名詞句との結合頻度が同じく現れるわけではなく、偏りがみられる。「가다」は到着点をあらわす名詞句との結合頻度が高く、「떠나다」は出発点をあらわす名詞句との結合頻度が高い。「가다」「떠나다」だけではなく他の移動動詞も、実際の言語資料において出発点、到着点などの場所名詞句との結びつきに偏りがみられるのである。 そこで、李善姫(2021)で ‘移動主体の位置変化をあらわす’ という語彙的な意味をもつ移動動詞「가다(行く)、오다(来る)、떠나다(発つ/去る/離れる)、헤매다(さまよう)、걷다(歩く)、건너다(渡る)、모이다(集まる)、향하다(向かう)」を対象に実際の言語資料における場所名詞句との結合頻度を調べ、考察を行い、それぞれの動詞の語彙的な意味の側面から次のように分類することができた。  1) 出発型  2) 経過型  3) 到着型  出発到着志向型:떠나다(発つ/去る/離れる)① 経路型  経路無方向型:헤매다(さまよう)  経路方向様態型:걷다(歩く)② 経由型:건너다(渡る)純粋到着型:모이다(集まる)到着志向型:향하다(向かう)到着経過型(1):가다(行く), 오다(来る)

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