HTML5 Webook
15/56

11【註】(1) 李善姫(2021)では、「가다(行く), 오다(来る)」を「到着経過出発型」と分類したが、データを増やし、さらに考察を行った結果、「到着経過型」に分類するのが妥当であることが分かった。詳しくは李善姫(2023)を参照されたい。【参考文献】李善姫(2021)「場所名詞句との結合頻度に現れる韓国語の移動動詞の語彙的な意味の特徴」  分類をみると、同じ語彙的な意味をもっているが、実際の場所名詞句との結合頻度から調査をすると、場所名詞句との結合において異なる様子をみせ、それぞれの動詞が異なる語彙的な意味の側面をもっていることが分かる。 現在、従属節の述語が「移動動詞の-어서」で表される複文において,従属節の表わす出来事と主節の表わす出来事との意味的な関係について考察を行っているが、その意味的な関係において、使用頻度から考察した李善姫(2021)の動詞の語彙的な意味が関係することが分かった。たとえば、次のような文である。 (3)걸어서 학교에 갔다.   歩いて学校に行った。 (4)집에 가서 공부했다.   家に帰って勉強した。 移動動詞の「-어서」で表される出来事が主節の出来事に対して、「出発完了」「場所提示」「空間的経過」「方向」「移動様態」「状態」のような様々な意味的関係で結びついており、その意味的関係は複文全体の構造に支えられ,その構造が、結合頻度から考察した移動動詞の語彙的な意味が反映されるものであることを確認した。 今後は、実際の言語資料における結合頻度から考察した移動動詞の語彙的な意味が、アスペクト、複合動詞の語構成にどのように現れるのかを考察し、語彙的な意味と文法現象との関係を示すのが課題である。明治学院大学教養教育センター紀要『カルチュール』第15巻李善姫(2023)「従属節の動詞が韓国語の移動動詞の場合の従属節と主節の意味的な関係─従属節の動詞が어서で現れる文を中心に─」明治学院大学教養教育センター紀要『カルチュール』第17巻(2023年3月掲載予定)

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る