研究所概要報告月例研究報告ランゲージラウンジ活動報告語学検定講座報告公開講座研究プロジェクト報告研究業績22The Annual Report of the MGU Institute for Liberal Arts韓国情報機関の反応、監視、対処:ところで「東京宣言文」の韓国語版は2種類あることが確認されている。韓国語版の第2テキストが生成されたのは皮肉なことである。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■に掲載された「東京宣言文」などによって、宣言文の宣布事実とその内容が当時韓国政府の情報機関すなわち「中央情報部」(KCIA)に捕捉された。彼らが先に入手した文書は海外教会に公開された英語版だった。情報機関はそれを翻訳した。もっとも、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■に掲載された「東京宣言文」は要約なので、日本語バージョンを参考した可能性も高い(これもさらに確認しなければならない課題である)。ともあれ、韓国情報機関が翻訳した韓国語版こそがむしろ韓国語版のオリジナルであるかのように認知されていた。資料は英語版からあるいは他の資料も含めて韓国政府情報機関が翻訳した韓国語版、別には東京で池明観が直接作成した韓国語版がある。呉在植は、日本キリスト教界との同志的結束を強調している。「東京の仲間たち、その人たちを忘れることはできません。日本で一緒に信仰告白をした日本教会の仲間たちが本当に苦労をしてくれました。(中略)表彰をしてあげたいくらいです。彼らの中にはいまや逝去した方もいらっしゃいますが、多方面から日本の政府と世論に圧力をかけて私たちを保護してくれました。当時私たちは知らずにいたことで、今となってはみな知っていますが、警察庁まで協力して保護してくれたことがわかっています。」 韓国民主化運動のための海外支援について呉在植は、「まあ、正式に(募金や支援を)することもできないものでありながら(中略)キリスト教団体ではない多くの団体が、さらに日本の埠頭労働組合までもが協力をたくさんしてくれました。一般労働団体も多く協力しました。しかし、左派労働組合からはお金をもらいませんでした」と付け加えている。「東京宣言文」内容分析:まず「東京宣言文」最初は宣言主体を明確にしている。「韓国キリスト者の名で発表する」という最初の文章は、宣言発表の主体の確認である。「東京宣言文」がはたして韓国教会、韓国クリスチャン全体を代表できるかという疑問の提起が予想されることに対して、池明観は「「エクレシア」が難しい時代になると「エクレシオラ」になるとは言いませんか?小教会になるしかありません。非常に難しい時期には、十字架を負う少数が教会を代表するしかない、だからそういう時に正しい信仰告白をして十字架を背負っていく人々は、すなわち全体教会を代表するという、数的なことだけを考えるべきでないという教会観を持っていました」と述べている。ここで「エクレシア」 (ecclesia)は教会、全体教会、 「エクレシオラ」 (ecclesiola)は小さな教会、少数の教会を意味する。 続いていわゆる「メシア国」、特に「メシア国」拡張のための神学的議論を、「三位一体」の教義とその神学的理解の内容、形式を動員して展開している。この宣言を俯瞰するとき、それはキリスト教神学史において「社会福音」(social gospel)の影響を受けた神学を基調にしているが、これも伝統的なキリスト教神学に基づく論理ではないかと考えられる。
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