研究所概要報告月例研究報告ランゲージラウンジ活動報告語学検定講座報告公開講座研究プロジェクト報告研究業績67The Annual Report of the MGU Institute for Liberal Arts港区 防災危機管理室 防災課長 鳥居誠之図11 関東大震災の港区における被害 関東大震災は、大正12年(1923年)9月1日11時58分に発生した。相模湾北西部を震源とする。マグニチュード7.9、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県で震度6を観測し、死者・行方不明者は約10万5,000人超と言われおり、死者の約9割は焼死である。 港区の被害は、都内の他の地域に比べては大きくなかったものの、芝地区、いわゆる新橋、芝公園から三田のあたりの被害は大きかったと言われている(図1)。2 東京の新たな被害想定(1)概要 令和4年5月、東京都防災会議は、首都直下地震等による東京の被害想定を見直し、公表している。これまでは平成24年に公表したものが最新だったが、約10年が経過したことを踏まえ、最新の地震の状況や環境の変化等を踏まえて、見直された。全体的な傾向として、耐震化や出火の防止対策が進んだことなどにより、東京都全体で被害の想定は概ね3割から4割程度、減少している。 首都直下地震「等」による被害想定になるので、首都直下地震を含め、マグにチュード7以上の地震が複数設定され、その被害が想定されている。いくつかの地震が設定されているが、港区として最も大きな被害が想定されているものは、「都心南部直下地震」になる。 都心南部直下地震は、都内で最大規模の被害が想定される地震であり、港区を始め、震度6強以 区内の公園や寺などへは多くの人が避難し、震災から4日後の9月5日には増上寺に2千人、芝公園に6千7百人が避難し、9月12日には、小学校や寺など58か所に救護所が設置され、1万6千人が収容された。2023年度明治学院大学みなと区民大学公開講座報告関東大震災100年首都直下地震に備えた港区の防災対策
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