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研究所概要報告月例研究報告ランゲージラウンジ活動報告語学検定講座報告公開講座研究プロジェクト報告研究業績77The Annual Report of the MGU Institute for Liberal ArtsFig.1. Normalized time history of Rectified surface EMG (R-EMG) activities from lower extremity muscles during fore skating.Left panels indicate R-EMG activities in advanced Figure Skater. Right panels indicate R-EMG activities in novice Figure Skater. R-EMG value was expressed as the fractions of the maximum value attained during skating. %Time indicates the normalized time relative to the time required to fore skating. SOL: Soleus, MG: Gastrocnemius medialis, TA:Tibialis anterior, VL: Vastus lateralis, RF: Rectus femoris, VM: Vastus medialis, AM: Adductor magnus蹴り、左足接地直前から左足接地直後における身体重心の推進力へと変換していると推測できる。また、上級者では上述したSOLおよびMGが顕著な筋活動が認められる局面前後において、拮抗筋であるTAの筋活動が著しく抑制されているが、初心者ではそのような相反的な筋活動が認められず、効率的な筋出力がなされていないことが示唆された。 VL,RFおよびVMの筋活動パターンについては、両被験者で相違は一見認められない。しかし、詳細に観察すると、右脚が支持脚となる30%前後および50%前後の時間局面において、上級者は初心者に比較して、より集中的で且つより高レベルの筋活動が認められる。この局面は右膝関節が受動的に屈曲され、続いて伸展される局面である。つまり、VL,RFおよびVMはこの局面の前半でエキセントリックな筋収縮を行い、直ぐに後半ではコンセントリックな筋収縮を行っていると考えられる。筋はコンセントリックな収縮の前に予備的に伸長されると引き続くコンセントリック収縮においてより大きな筋出力を発揮することが知られており、このような筋活動の様式をStretch-Shortening Cycleと呼んでいる。30%前後および50%前後の時間局面においては、VL,RFおよびVMはこのStretch-Shortening Cycleを活用することにより、より増大した筋出力を発揮し、身体重心の推進力へと変換していると考えられる。 AMについては、VL,RFおよびVMと同様のタイミングで著しい筋放電が観察された。また、上級者と初心者を比較すると、前者においてより集中的な筋放電が認められた。これらのことから勘案すると、AMは30%前後および50%

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