研究所概要8月例研究報告ランゲージラウンジ活動報告語学検定講座報告研究プロジェクト報告研究業績The Annual Report of the MGU Institute for Liberal Arts森田恭光2. 気象庁の観測した過去の観測データの解析 気象庁観測による横浜市の日最高気温と相対湿度は、5月から9月の0時から24時までの1時間ごとに計測されたデータより解析をおこなった。 日最高気温は1時間ごとに計測された気温の最高値とし、相対湿度は最高気温時の相対湿度とした。最低気温は、1時間ごとに計測された最低値とした。 WBGTは、日最高気温と相対湿度から下記の算出式6)、7)にて推定した。 湿球温度=(最高気温+10)×(平均相対湿度/250+0.615)− 10 WBGT=1.925+1.298×(0.7×湿球温度+0.1×最高気温) 各年の7月と8月における最高気温の平均と真夏日(最高気温30℃以上)、熱帯夜(最低気温25℃以上)の日数を集計した。諸 言 近年、地球温暖化や都市部では緑地や水面の減少、コンクリート系の建築物の増大、地表面の人工化、空調システムや自動車等による排熱が増加し、ヒートアイランド現象が関与し熱中症が発生している1)。環境省においては、気候変動における施策展開の重要性を指摘し、地域においても実態に応じた対策が求められており、熱中症に関する対策を行うには、熱中症発生に及ぼす気候要因について地域の実態を把握する必要がある。 熱中症発生の地域の特徴に関しては、日本各地の熱中症発生傾向2)や都道府県における熱中症死亡の地域差などの研究3)がなされている。都道府県別に関しては、山梨県内における熱中症発生の地域特性の調査4)や東京都における2010年夏季の熱中症発生と気候要因の地域特徴について報告されているが、いづれも、気温のみの分析や単年度の結果となっている。 今回は、大学が横浜市にキャンパスがあること、ならびに、暑熱環境を示す気温や湿度に関するデータが整っている横浜市について、2019年から2023年における気象要因と熱中症発生との関係から実態について報告する。加えて、最近、国内のみならず観光で訪れた外国人観光客において、夏の暑さ対策として日傘を利用している方が多く見受けられるため、太陽の日射を直接遮ることができる日傘に着目し、遮光性日傘による熱中症効果を温熱生理学的に明らかにし、熱中症対策について提案する。方 法1. 調査内容 気象庁のホームページ内にある各種データから、横浜市の観測地点における2019年から2023年までの5月から9月までの気象データを検索した5)。月例研究報告横浜市における熱中症の現状と予防
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