研究所概要9月例研究報告ランゲージラウンジ活動報告語学検定講座報告研究プロジェクト報告研究業績The Annual Report of the MGU Institute for Liberal Arts3. 熱中症発生の解析 横浜市消防局の2019年から2023年までの5月から9月までの熱中症患者の救急搬送に関するデータ8)を使用した。4. 遮光性日傘着用実験 遮光性日傘着用と着用なしにおいて、暴露環境条件が気温30℃と35℃付近の晴天条件下で生体反応として発汗量、環境温度としてWBGT、相対湿度等を1時間30分測定した。1. 2019年から2023年における熱中症搬送者数と環境温度の推移 図1は、2019年から2023年の5月から9月における熱中症搬送者数と日最高気温および日最高WBGTの推移を示した(以下、熱中症搬送者数は発生者数と称す)。 発生者数は、2019年、2020年、2022年、2023年においては、期間全体で1200人前後と相対的に多かった。2021年は、775人であった。2019年、2020年、2021年は、梅雨明けに気温とWBGTの急激な上昇に伴い、発生数が増加した。その後、8月中旬に発生のピークが見られた。2022年と2023年は、梅雨入り後、気温とWBGTが上昇し、6月下旬から発生数が増加し、2022年は、梅雨明け後、7月下旬から8月上旬にピークが見られた。2023年は、梅雨明け後、気温とWBGTの上昇により7月下旬から8月下旬に2回、発生のピークが見られた。全体を見ると気温が30℃以上、WBGTが28℃以上の日に発生数が30人以上の日が多く見られた。中井ら9)は、熱さ指数WBGTは、22℃以上で発生し、28度以上は、熱中症の発生件数が増加することを報告している。今回の結果から、今後は、梅雨明け後ではなく、梅雨入り直後から気温が30℃以上、WBGTが28℃以上の日が続く可能性があり、梅雨入り以前から日常生活において暑熱順化の対策を行うことが必要と思われる。2. 2019年から2023年における熱中症発生時の気温と湿度の関係 図2は、熱中症による発生時の気温と相対湿度の関係を示した。発生時の気温は、多くは24℃以上の範囲であることが示される。湿度は、40%以上の範囲で発生し、発生時の湿度と気温は負の関係が見られる。結果および考察 本研究は、横浜市における2019年から2023年の5月から9月までの気象庁の過去の環境データの解析を行い、5年間の WBGT(Wet-bulb Globe Temperature Index)を推測し、熱中症発生データとあわせて、実態と対策について検討した。気象庁の過去のデータの解析は、観測された最高気温をもとに算出した。
元のページ ../index.html#13