HTML5 Webook
15/86

研究所概要月例研究報告ランゲージラウンジ活動報告語学検定講座報告研究プロジェクト報告研究業績11The Annual Report of the MGU Institute for Liberal Arts図3. 横浜市の7月〜8月における平均気温と真夏日及び熱帯夜日数の推移 中井ら10)は、熱中症発生時の気温は、25℃以上で発生し、湿度は、40%以上の範囲で発生し、湿度が高いと気温が高くなくとも発生することを報告した。今回の結果から、気温24℃以下の低い気温でも湿度が60%以上で発生しており、気温が低くとも湿度が高い場合は、熱中症が発生する危険があるため、5月以降において体力が低い方や肥満の方、子供や高齢者においては、日常の生活活動や運動時において、熱中症に注意する必要があると思われる。3. 2019年から2023年における平均気温、真夏日、熱帯夜日数の推移と熱中症予防 図3は、2019年から2023年の7月から8月に観測された気象庁の最高気温から算出した平均気温と日最高気温30℃以上(真夏日)、日最低気温25℃以上(熱帯夜)の日数を示した。平均気温は、2019年27.1℃、2020年27.8℃、2021年27.7℃、2022年28.3℃、2023年29.8℃と年々、平均気温が上昇していた。真夏日は、2019年40日、2020年38日、2021年46日、2022年48日、2023年60日と平均気温と同様、年々増加した。熱帯夜の日数は、気温の上昇とともに、日数が多くなり、2019年から2022年までは36日から44日であったが、2023年は54日と最も多かった。 気象庁11)によると大都市においては、ヒートアイランド現象が起こり、統計期間1910年から2022年における真夏日(日最高気温が30℃以上)や熱帯夜(日最低気温が25℃以上)の日数が増加し、今後も増加することが予測されている。暑熱環境の指標として最高気温や真夏日、熱帯夜等が用いられ、気温が30℃以上になると暑熱障害の発生が急増すること12)や猛暑日が多い年は、暑熱障害による死亡率も増加することが報告されており、暑熱障害の発生や死亡は、気温の上昇のみならず、真夏日や熱帯夜の頻度などの暑熱環境因子との関連が高いことが認められた。今回の結果から、横浜市において7月、8月は熱中症が発生しやすい環境であることが明らかとなった。従って、日常生活においても、こまめな水分補給と適度な休養、並びに、本格的な暑さの前に暑熱順化することが重要であり、5月、6月のやや暑い環境で主観的に「ややきつい」と感じる運動を1日30分間、1週間に5日程度、1〜4週間程度実施13)、日頃運動していない人や体力に自信のない人は、

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る