研究所概要月例研究報告ランゲージラウンジ活動報告語学検定講座報告研究プロジェクト報告研究業績12The Annual Report of the MGU Institute for Liberal Arts図4. 年齢階級ごとの症度別の熱中症発生の割合3分間の速歩と3分間の通常歩行を組み合わせたインターバルウォーキングを1日5回程度、週4日以上、4週間実施14)し、暑さに強いからだづくりをおこなうことも必要と思われる。4. 年齢階級ごとの症度別の熱中症発生状況と熱中症予防 図4は、年齢階級ごとの症度別の熱中症発生の割合を示した。年齢階級が高くなるほど、中等症以上の発生の割合が高くなる。少年では軽症が84.4%、成人で70.8%であるが、高齢者は、中等症以上が57.1%を示している。高齢者は、基礎疾患を有する方も多く、発汗機能や体温調節機能、口渇感等が低下するため、熱中症を発症しやすいことが報告15)されている。また、生理機能の衰えにより、暑さを感じにくく、水分補給が少なく、冷房を好まないなどの特性が見受けられ、重症化していることが示されている。このことから、高齢者において熱中症を予防するには、部屋に温度計やWBGT測定器を設置し、夏日以上が続く時は、室温が28℃を超えない程度で、積極的に冷房を使う必要がある.自宅に冷房装置がない場合は、水シャワーや水浴びも体温を下げるのに有効である。また、数時間でも、空調の効いた公共施設や商業施設に避難することも必要である。温度基準域、WBGT28℃以上では、不要な外出や屋外での作業等は控える。睡眠時の熱中症発症予防のため、就寝前に必ず水分を補給する16)。日中と比較し、夜間に気温があまり下がらない日には、冷房をつけて寝ることも必要である。5. 日傘を利用した熱中症リスクの軽減 本研究は、太陽の日射を遮ることが可能な日傘に着目し、遮光性日傘による熱中症予防効果を温熱生理学的観点から明確にし、学内における熱中症対策を提案することとした。遮光性日傘着用と着用なしにおいて、環境条件が気温30℃と35℃付近の晴天条件下における、生体反応として発汗量、環境温度としてWBGT、相対湿度等を1時間30分測定した。 図5に2つの条件で測定した日傘ありとなしのWBGT(図左)と相対湿度(図右)を示した。
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