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研究所概要月例研究報告ランゲージラウンジ活動報告語学検定講座報告研究プロジェクト報告研究業績30The Annual Report of the MGU Institute for Liberal Arts2. 調査概要及び研究方法 対象者は、東京所在のA大学とB大学で韓国語を専攻する日本人大学生24名で、1年生が12名、3年生が6名、4年生が6名であった。対象者のうち、2年生がいない理由は、2大学ともカリキュラム上、2年生の後期の半年間もしくは2年生の前期から後期の1年間韓国留学に行くため、調査時、2年生が不在であったためである〈表1〉。2024年1月中旬から2月上旬にグーグルフォームによるアンケート調査を実施した。具体的には、画面上に「私は、韓国を  と思います。」という文が20個書かれており、各ブランク部分に韓国の印象や韓国に対する思いなどを自由に入力するよう求めた。調査の結果、256例のイメージが得られた。1つの回答内に2つの意味が含まれているものは、意味ごとの単位に分けて分析した。そのような例が9例あったため、全265例となった。これらに対し、KJ法(川喜田,1967)におけるグループ分けの手法を援用して分類を行った。3. 結果 得られた全265例のデータを分類した結果、17カテゴリーが抽出された〈表2〉。『韓国人気質への肯定的認識』が43例、『韓国社会への肯定的認識』が37例、次いで『食文化』が24例、『韓国人社会への違和感』が18例、『韓国人気質への違和感』が17例と続く結果となった。ごく個人的な内容や分類できないものは『不詳』(12例)としてまとめた。次に、17のカテゴリーを肯定、否定、中立のイメージごとに分類した。その結果、肯定的イメージが150例、否定的イメージが62例、中立的イメージが41例となった。 イメージ別に詳細を見ていくと、肯定的なイメージを表すカテゴリーは9つであった。情が深い、親切だ、正直な人が多い、愛国心が強いなど韓国人の気質に対して好意的な理解を示す『韓国人気質への肯定的認識』、身近な国、旅行したい、知りたい、流行の最先端、世界中が注目しているなど韓国社会に対する好意的イメージを表す『韓国社会への肯定的認識』美容大国、アイドル文化がすごい、音楽に対する熱が凄いことへのイメージの『大衆文化の発展』、交通費が安い、地下鉄の設備がしっかりしている、宅配や配達が早いなど生活利便性や都市設備の充実さを示す『生活環境の良さ』、科学技術の先進性やエンターテインメント業界の市場が発達していることに対する『経済・産業の発展』、ご飯が美味しいことやおかずの充実さなどを示す『食文化への好感 』、肌が綺麗、おしゃれだというイメージを示す『韓国人の外見への肯定的認識』、人との繋がりが深い、良い意味で人との距離が近いなど人との関係を重視することへの好感を表す『人間関係重視』、自然が綺麗なことや観光地が多いイメージを表す『地理・自然環境の良さ』である。否定的なイメージを表すカテゴリーは、5つであった。学歴社会で教育が厳しい、政治面で日本との関係が良くない、流行の移り変わりが激しい、戦争している国であることへの違和感を表す『韓国社会への違和感』、せっかち、運転が荒い、気持ちをストレートに伝えるなど韓国人の気質への違和感を示す『韓国人気質への違和感』、坂が多い、車が多い、宗教勧誘が多いことへの不便さを示す『生活環境の不便さ』、

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