「身体」とはなにか?と訊かれて、みなさんはどう答えますか。
自分の肉体のことならいくらかわかっていても、どうやらそれだけではない、わたしたちの「身体」には、わたしたちの与り知らぬおおきな力によって成り立っている一面もあって、それはこの国のこの風土のなかで培われてきた民族の記憶なのだといってよいかもしれません。
たとえば、能役者と武道家の足の運びがよく似ているのはなぜでしょう。また、それがヨーロッパの芸能やスポーツとまったくちがっているのはなぜなのでしょう。そこには、それぞれの地域で人々が長い時間をかけてつくりあげてきた生活の様式や宗教、自然観などの反映をみることができます。
わたしたちの「身体」と「文化」。この公開講座では、わたしたちがになっている「文化」としての「身体」について、その起源と現在に至るまでの変遷をみつめ、またそれをヨーロッパ世界を中心とする異文化のなかの「身体」のありかたと比較することを通して、いまわたしたちにとって「身体」がどのような意味をもっているのかについて考えてみたいと思います。
日付 | 講演テーマ | 講演者 | |
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1 | 10月9日(土) | 『総説・アジアの身体文化』 ―スポーツと芸能の始まり― |
嶋田 彩司 明治学院大学 教養教育センター 教授 |
2 | 10月16日(土) | 『流気動・武道から得た動き』 | 作山 吉永 流気動 Rogers,J.M. 明治学院大学 教養教育センター 助教授 |
3 | 10月23日(土) | 『オリンピックにみる身体』 | 亀ヶ谷 純一 明治学院大学 教養教育センター 教授 |
4 | 10月30日(土) | 『キリスト教とスポーツ』 | 金井 創 明治学院 牧師 |
5 | 11月6日(土) | 『能と身体』 ―世阿弥の二曲三体に照らして― |
近藤 乾之助 金井 雄資 水上 優 能楽宝生流シテ方 池上 康夫 明治学院大学 教養教育センター 教授 |
6 | 11月13日(土) | 『西洋美術にみる身体』 | 鈴木 杜幾子 明治学院大学 芸術学科 教授 |
開講時間 | 2004年10月9日(土)〜11月13日(土) 毎週土曜日 午後1時15分〜3時30分 全6回 |
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定員 | 150名 |
会場 | 明治学院大学横浜校舎 5号館 530教室、チャペル |
受講料 | 4,000円(全6回) |