巡礼は世界各地で昔から行われていますが、ひとはなぜ巡礼に出るのでしょうか。
巡礼ということになればそれまでの生活圏を離れ、聖地、あるいは霊場へと向かことになります。しかしそれが長期にわたれば、やがて戻ってくるまでの期間、何ら生計費を得られないとするならば、予め蓄えが必要となります。さらに、自由業であろうと宮仕えであろうと、休む場合は当然、商売相手や職場など、周囲の理解も不可欠となりましょう。こうしたさまざまな困難を排除し、一途に聖地を目指すからには、それなりの強い思いからなのでしょう。もちろんそれは主に宗教的な動機でしょうが、ほかに理由はないのでしょうか。
形式的には普通の旅も、宗教的な動機の欠落と期間的に短いことを別にすれば、巡礼と何ら変わらないようにも思われます。特に帰路などは、つとめを果たした安堵感から、慰安と観光の旅になりそうな気がしてしまいます。巡礼の往復の道程の実態はどんなものなのでしょうか。
今年度、教養教育センター附属研究所が主催する明治学院大学秋学期公開講座は、このような素朴な疑問が発端で企画されました。本学の専任教員を含め、さまざまな分野の研究者にそれぞれの観点から、世界や日本で昔から行われている代表的な巡礼のありようをお話ししていただくことになりました。
多様なメディアを媒体に、巡礼の姿、実像に関する情報に数多く接することができる今日ですが、講演者ご自身の巡礼体験に基づく講演をはじめ、それぞれの講演からもまた、異なった何らかの果実が得られることを確信しております。
在校生のみなさん、是非、積極的に参加して、秋の有意義な一時をすごしてください!
明治学院大学秋学期公開講座
企画:教養教育センター附属研究所
企画責任者 鈴木 義久
日付 | 講演テーマ | 講演者 | |
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1 | 9月29日(土) | イスラームのメッカ巡礼 歴史認識と現在 | 大川 玲子 明治学院大学国際学部准教授 |
2 | 10月6日(土) | 巡礼者と定住者のサンティアゴ巡礼 | 中島 聡子 立教大学 |
3 | 10月13日(土) | ネパールにおける巡礼 ヒンドゥー教と仏教のまじわる場所 |
森本 泉 明治学院大学国際学部准教授 |
4 | 10月20日(土) | 再生の聖地-熊野詣の歴史と文芸- | 嶋田 彩司 明治学院大学教養教育センター教授 |
5 | 10月27日(土) | 時代を映す四国遍路 | 門田 岳久 立教大学 |
期間 | 2012年9月29日(土)~10月27日(土) 全5回 毎週土曜日 午後1時15分~3時30分(初日・最終日は午後1時開始) |
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会場 | 明治学院大学 横浜キャンパス5号館 520教室 |
問合せ先 | 明治学院大学 総合企画室(地域連携推進担当) TEL:03-5421-5247/FAX:03-5421-5387 受付時間:平日のみ 9:30~12:00/12:45~16:00 |